妊婦のビタミンD不足で子どもが肥満のおそれ|【OMM特集】大塚和成(おおつか かずまさ)の気になるヘルスケアの話
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大塚和成です。本日紹介する気になるヘルスケアの話は『妊婦のビタミンD不足で子どもが肥満のおそれ』です。
妊婦のビタミンD不足で子どもが肥満のおそれ|【OMM特集】大塚和成(おおつか かずまさ)の気になるヘルスケアの話
ビタミンD不足の妊婦から産まれた子どもは、小児期・成人期のいずれにおいても肥満になりやすいことが明らかになった。米国南カリフォルニア大学の研究。
ギリシャで532組の母子を対象とした追跡調査で、妊娠初期に血中ビタミンD濃度が非常に低かった妊婦から産まれた子どもは、十分なビタミンD濃度であった妊婦の子どもに比べて6歳時点でのウエストサイズが平均0.5インチ大きく、体脂肪も2%多かったという。この差は小さいものに思えるかもしれないが、この子どもたちの人生全体を考えた時に、それは無視できないものであるという。
2009年の研究で、米国の10代および成人の75%は体内のビタミンDレベルが不足していることが報告されている。この不足は、心疾患・がん・多発性硬化症・1型糖尿病リスクを増加させる。
新生児のビタミンDの状態は、大部分は母親に依存している。母親がビタミンD不足またはそれに近い状態であれば、赤ちゃんもビタミンD欠乏のリスクにさらされる。研究者のチャッツィ准教授によると、体内のビタミンDの95%は日光を浴びることで合成されたものだという。残りの5%は食物由来であり、たとえば卵や脂肪分の多い魚、魚の肝油、ビタミンDを添加した食品の摂取によるものだ。
「日光に恵まれた地域でも、ビタミンD欠乏が起こるのはなぜなのかはわかりませんが、おそらく、人々が屋内でのデスクワークにあまりに多くの時間を費やしていたり、日焼け止め剤の塗り過ぎによってビタミンD産生が阻害されていることによるのではないでしょうか」と研究者のチャッツィ准教授。
妊婦のビタミンD欠乏の発生率は過去20年間で増加している。この研究では、胎児の器官発達のために極めて重要な時期である妊娠初期の妊婦のうち2/3もがビタミンD欠乏であったという。
先行研究において、ビタミンD欠乏がなぜ問題になるのかが示されている。動物実験で、ビタミンDは前脂肪細胞が脂肪細胞に変るのを抑制することが明らかになっているほか、ヒト細胞試験においても同様の可能性が示されている。
「ビタミンDは脂肪細胞の形成を抑えると思われるため、ビタミンDレベルの低い妊婦はBMIが高く体脂肪も多い可能性があります。妊婦のビタミンDレベルを最適にすれば、産まれた子の肥満を防ぐことができそうですが、私たちの研究結果を確認するためには、さらなる研究が必要です。」などとチャッツィ准教授。
ビタミンDを手軽に補給するにはサプリメントを摂取するという方法もあるが、過剰摂取をすると心臓や血管、腎臓の損傷を引き起こすおそれもあり、注意が必要だ。
(なお、日本人の食事摂取基準2015年版において、成人女性のビタミンDの目安量は5.5μg、妊婦の場合はこれに7.0μgを付加(=合計12.5μg)が推奨されている。耐用上限量は100μg。)
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