「肥満のパラドックス」の正体|【OMM特集】大塚和成(おおつか かずまさ)の気になるヘルスケアの話

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大塚和成です。本日紹介する気になるヘルスケアの話は『「肥満のパラドックス」の正体』です。

「肥満のパラドックス」の正体|【OMM特集】大塚和成(おおつか かずまさ)の気になるヘルスケアの話


肥満の心臓病患者は、実際には普通体重の患者に比べて長生きなわけではなく、単により若い年齢で診断されやすいということらしい。米国ノースウェスタン大学からの研究報告。

研究チームは、1964年から2015年にかけて米国の大規模コホート研究10件から190,672人、320万人年分のデータを解析した。

その結果、過体重(BMIが25-29.9)の中年男性(40-59歳)の脳卒中、心筋梗塞、心不全、または心血管系疾患による死亡リスクは、普通体重の男性に比べて、21%高かった。また過体重女性は普通女性に比べて、32%高かった。

肥満(BMIが30以上)の中年男性の脳卒中、心筋梗塞、心不全、または心血管系疾患による死亡リスクは、普通体重の男性に比べて、67%高かった。肥満女性の場合は普通女性に比べて、85%高かった。

普通体重の中年男性は、肥満男性に比べて1.9年長生きであり、重度の肥満男性に比べて6年長生きだった。普通体重の男性の寿命は、過体重の男性とほぼ一緒だった。

普通体重の中年女性は、肥満女性に比べて1.4年長生きであり、重度の肥満女性に比べて3.4年長生きだった。

「健康な体重は、寿命に加えて、健康寿命も促進し、より健康なまま生きる期間が長くなる」と主任研究者のサディヤ・カーン助教授は語っている。「これはQOLも向上させるということだ。」

過体重、肥満の者は、より若い年代で心血管疾患に罹患するリスクが有意に高く、その結果、心血管疾患を抱えたまま生きる年月が長くなり、健康寿命が短くなるようだ、と研究チームは結論づけている。


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